英国発、廃棄食材カフェが台頭<3> 地上部隊
スミス氏は、その膨大な量の食料をさばくための新たな方法の模索に迫られた。そこでRJFPは、リーズ市内の学校に食事を提供するプロジェクトを立ち上げ、現在、市内の学校に通う1万2000人の子どもたちに回収した食材を使った食事を提供している。また回収量の増加への最新の対応策として、カフェと同様に客が自由に価格を決められる廃棄食品専門のスーパーの経営にも乗り出した。
スミス氏は、この運動が自身の故郷で多く見られる貧困や栄養失調といった、より広範な問題の解消にもつながると認識しているが、当初に掲げた目標に集中する決意がぶれることはない。
スミス氏は「われわれは飢餓をなくすためにやっているわけではない。われわれの目標はあくまで食料の無駄をなくすことだ」とし、「われわれがまず目を向けるべきは環境面だと確信している」と付け加えた。
しかし、一方でスミス氏は「世界の誰もが食べ物にありつけるべきであり、それは人として当然の権利だ」と述べた。
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次回「英国発、廃棄食材カフェが台頭<4> 『無駄で儲ける業界』」は11月22日公開