生きたロブスターの煮沸を禁止、「痛み対策」 スイス新法
(CNN) スイス政府は13日までに、ロブスターがまだ生きている場合、調理のために熱湯に入れることを禁じる新たな法律を成立させた。今年3月から発効する。
新法は、ロブスターは痛みを感じる可能性がある高度な神経系を保持しているとする研究結果を踏まえたものとなっている。
今後は、調理前に気絶させるか、即座に絶命させることが必要になる。また、輸送する際の条件にも触れ、ロブスターを含む甲殻類を氷詰めの状態や氷水に入れたりして運ぶことを禁止。常時、自然の状態で保管しなければならないとした。
ロブスターに関してはイタリアで最近、レストランの台所で氷詰めでの保管を禁じる新たな法が成立していた。
環境問題などを専門にする英国・北アイルランド、クイーンズ大学のロバート・エルウッド教授はスイス政府の今回の措置を評価。甲殻類が神経系を持つことを示す自らの再三の実験結果を踏まえ、鳥類や哺乳(ほにゅう)類は保護してきたのに、エビやカニは無視している現状を疑問視し、生きたまま煮沸するのは非人道的だとも主張した。
エビなどは苦痛にさらされた場合、生死にかかわる重大な決定を迫られるとする研究結果にも言及し、ヤドカリは強い電気の衝撃を受けた場合、殻を即座に捨てるとも説明した。