スペースXの世界最強ロケット、2月に打ち上げ
ニューヨーク(CNNMoney) 米宇宙開発企業スペースXは29日までに、最新鋭の大型ロケット「ファルコンヘビー」の初の打ち上げを来月6日に行うと発表した。
ファルコンヘビーは世界一パワフルなロケットで、スペースXは火星への有人飛行にも利用できるようになるとしている。ロケットは推進力が強いほど航行距離が長くなり、より大型の衛星や宇宙船などの積み荷を搭載できるようになる。
初の打ち上げ実験では、創業者のイーロン・マスク氏が個人で所有する赤いテスラのスポーツカー「ロードスター」1台を宇宙へ送り出す。車を宇宙へ送り込むことに科学的な意味はない。しかしテスラの最高経営責任者(CEO)でもあるマスク氏にとっては自分の宣伝になる。
10万ドル(約1010万円)もする車を送り出す理由についてツイッターで尋ねられたマスク氏は、「1台の車が果てしない宇宙空間を漂い、数百万年後に宇宙人によって発見されるかもしれないと考えるのが楽しい」と回答した。
実験に成功すれば、衛星などを軌道へ送り込むという本業に利用される。既にサウジアラビアのアラブサットと英インマルサット、米ビアサットの3社との間で、大型通信衛星3基を軌道へ送り込む契約を結んでいるという。
米空軍も年内に、ファルコンヘビーを使って気象予報衛星などを搭載した「STP2」を打ち上げる予定。
スペースXは2017年初めの時点で、ファルコンヘビーを使った月周辺の宇宙観光旅行に参加するため、観光客2人が予約金を支払ったと発表していた。この時点で同社は、2018年にも宇宙旅行を実現できるかもしれないとしていたが、その後の進展状況は明らかにしていない。