ストレスが物忘れや脳萎縮につながる可能性、40代でも影響 米研究
さらに、コルチゾールの値が高い人の脳は、思考や感情、発話、筋肉のはたらきを司る大脳が小さいことも判明した。脳全体に占める大脳の容量は、コルチゾールの値が正常な人が88.7だったのに対し、コルチゾールの値が高い人は88.5だった。
アルツハイマー病に詳しい研究者は、「脳にこれほど大きな変化が起きる現象が見られたことは驚きだった」「中年期において脳の構造的な変化が起きているのであれば、年を取って認知症を発症する年齢になるまでに何が起きるかは想像がつく」と解説する。
コルチゾールが大脳の容量に影響を及ぼす現象は、女性のみに表れ、男性には見られない様子だった。その理由について別の研究者は、女性ホルモンのエストロゲンとの関係を指摘している。
今回の研究はコルチゾールと認知症の関係を示したもので、原因を示したわけではないと研究者は強調する。それでも日常生活のストレスに対処するために、ライフスタイルの改善を考えた方がいいとアドバイスしている。