桁外れの巨大さ持つ「超銀河団」を発見、宇宙誕生直後に形成
(CNN) 国際的な天文学者のチームがこのほど、誕生からわずか20億年後の宇宙に無数の銀河が集まった「超銀河団」と呼ばれる巨大な構造が存在していたことがわかったと発表した。
これまでも地球からより近い距離では、いくつかの超銀河団が発見されていた。ただ、宇宙誕生後の非常に早い時期にこれほどの規模で形成されていた点が特異的で、宇宙がたどってきた膨大な時間を探る手掛かりとなる可能性があるという。
この超銀河団は、そのあまりの巨大さからギリシャ神話に登場する巨人にちなんで「ハイペリオン」と名付けられた。質量は太陽系を含む天の川銀河の約5000倍。構造の形状を円筒に置き換えると、底面の円の直径がおよそ2億光年、高さがおよそ5億光年の距離と、とてつもない大きさになる。
これに対し約2000億個の星で構成される天の川銀河の直径は、10万光年ほどしかない。
大きさもさることながら、ハイペリオンで特筆するべきはその古さだ。宇宙の誕生はおよそ140億年前とされるが、ハイペリオンの形成はそれから20億年後。宇宙の時間軸では、ほんの一瞬が経過したに過ぎない。
宇宙誕生から間もないころはごく小さなサイズだった個々の銀河が、その後衝突や合体を繰り返してより大きな銀河へと成長していく。それらの銀河が互いの重力で引っ張り合った結果集団を形成したのが、銀河団や超銀河団と呼ばれる構造だ。
専門家らは、ハイペリオンが宇宙誕生からわずか20億年でこれほどの大きさに成長したことに驚きを隠さない。たとえるなら、よちよち歩きの2歳の赤ん坊がいると思って保育園をのぞいたら、すでに成長した大人がそこにいたようなものだという。
ハイペリオンを調べることは、宇宙の中でも最大級の超銀河団がどのように形成されたのかを突き止める手掛かりになるほか、地球により近い銀河団や超銀河団の成長過程の分析にも寄与するとみられている。