靴下の臭いでマラリア患者を発見、探知犬の実験に成功 英研究

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探知犬に靴下の臭いをかがせてマラリア患者を見分ける実験に成功した/ASTMH

探知犬に靴下の臭いをかがせてマラリア患者を見分ける実験に成功した/ASTMH

(CNN) 英国の研究チームが29日、犬を訓練してマラリアに感染した患者を見つけ出す実験に成功したと発表した。犬に靴下の臭いをかがせるだけで、その人がマラリアに感染しているかどうかを診断できるという。

一部のがんや糖尿病の臭いをかぎ分ける探知犬の訓練は既に行われている。英ダラム大学などの研究チームは、マラリア原虫に感染している患者が特徴的な臭いを発することに着目。医療用探知犬の推進団体と協力して、2頭の犬にマラリアの原虫をかぎ分けさせる訓練を実施した。

研究チームは、アフリカのガンビアで5~13歳の子ども600人に提供した靴下を回収し、その靴下を使って英国で4カ月かけて犬を訓練した。使用したのは回収した靴下のうち175足で、30足はマラリアに感染した子どもの靴下、145足は感染していない子どもの靴下だった。

訓練の結果、レトリバー犬の「レクシー」と「サリー」は靴下の臭いを嗅ぐだけで、マラリアに感染した子どもの70%、感染していない子どもの90%を正確に検知できるようになった。

今回の研究により、犬を使ってマラリアを発見できる可能性があることが分かったと研究チームは解説する。

ただしこの研究はまだ初期の実験段階にあり、実用化する前にほかの国のサンプルも試す必要があるという。

世界保健機関(WHO)によると、2016年のマラリア患者は世界で2億1600万人と推定され、うち44万5000人が死亡している。治療は可能だが、予防のためのワクチンは存在しない。

もしも発症前の患者を発見できれば、特にマラリアを根絶した国では、他国から持ち込まれるマラリア感染の拡大を防止でき、早期の治療を受ける助けにもなると研究チームは説明している。

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