肥満に関連するがん、ミレニアル世代でリスク急増 米研究
(CNN) 肥満との関連が指摘される複数のがんについて、米国の「ミレニアル世代(1980~90年代生まれ)」の間で罹患(りかん)リスクが急増しているとの研究論文が4日、医学誌ランセットに掲載された。研究者からは将来的ながん患者の増加を危惧する声が上がっている。
研究は米国がん協会が発表した。肥満に関連するがん12種類と関連のない一般的ながん18種類について、1995年から2014年までのデータを分析した。その結果、24~49歳の年齢層でリスクが高まる傾向が見られたという。
論文の著者の1人を務めた米国がん協会のアフメディン・ジェマル氏は「若年成人の間では、肥満に関連するがんの半分でリスクの増加がみられた。年齢が下がるほど増加率は上がっている」と指摘。このままいけば将来の高年世代で肥満に関連するがんの負担が拡大し、過去数十年で達成してきたがん死亡率低減の流れが止まりかねないと警鐘を鳴らした。
若年成人でのリスク増加がとりわけ顕著だった肥満関連のがんは、大腸がん、子宮内膜がん、胆嚢(たんのう)がん、腎臓がん、膵臓(すいぞう)がん、多発性骨髄腫の6つ。通常、これらのがんは60~70代で発症するとされる。
膵臓がんを例にとると、発症する確率は25~29歳で年平均4.34%増加した。30~34歳では同2.47%、35~39歳では同1.31%それぞれ増え、40~44歳では0.72%の増加にとどまった。全体でみれば、ミレニアル世代の抱える大腸がん、子宮内膜がん、膵臓がん、胆嚢がんのリスクは、ベビーブーマー世代が同年代だったころと比べて約2倍高かった。
一方、肥満と関連のないがん18種類では、胃がんと白血病を除く16種類について若年層の方がリスクが低減するもしくは横ばいとなる傾向が見られた。これらのがんには喫煙や感染症に関連する種類のものが含まれる。