女性の公衆トイレは男性の2倍必要、英公衆衛生庁が報告書
(CNN) 英国公衆衛生庁(RSPH)は26日までに、国内の公共施設に関する新たな報告書をまとめ、公衆トイレの数について男女用の比率を現状の1対1から女性用を増やして1対2の水準を目指すべきとの提言を盛り込んだ。
理由として、トイレ利用に当たり着衣や生理の問題、身体構造上の差異などで使用時間をより多く要する女性特有の事情への配慮に触れた。
女性2、男性1との比率が一部の権限付きで義務化されている米国とカナダの関連法案にも言及し、英国内の女性用トイレを対象にした新法起草も提唱。公衆トイレ利用での平等性を確保するため男女両用施設やトランスジェンダーの人々を考慮したトイレの拡充も必要と指摘した。
報告書は英国内の公衆トイレが減っていることへの懸念も表明。意見を求めた2089人の74%が近辺にあるトイレの数は十分ではないと答えたことにも注意を向けた。
地方自治体が運営するトイレは2010年以降、約700カ所で閉鎖されたともした。
報告書によると、5人のうちの1人もが公衆トイレの不足を理由に外出したくとも自宅を離れずにいる現状を説明。この悩みはトイレ利用が頻繁になりがちな糖尿病などの健康問題を抱える住民には切実で、意思に反して外出しないとする比率は43%だった。結果的に、肥満対策や高齢者の身体的な活動に悪影響を与えているとも説いた。
公衆衛生庁の幹部は、近年の公衆トイレの減少は健康維持や住民の移動面などでの脅威であり無視出来ないと主張。財政援助を切り詰められている地方自治体の大きな負担には理解を示しつつ、英国政府に財政援助の削減方針を撤回し、民生用のインフラ基盤整備のための投資拡大を求めた。