米国人のアルコール関連死、18年間で2倍以上 飲酒量も増加
(CNN) アルコール関連の原因で1年間に死亡した米国人の数は、1999年から2017年までの間に2倍以上に増えていたことが、新たな研究で明らかになった。
国立アルコール乱用・依存症研究所(NIAAA)の研究者らが死亡証明書のデータを分析し、アルコール依存症研究の専門誌に論文を発表した。
それによると、アルコールに関連した死者の数は1999年の3万5914人から、2017年には7万2558人に増加。人口10万人当たりの死者数は16.9人から25.5人と、50.9%増えていた。
この間に合計100万人の米国人がアルコールで死亡したことになる。17年に死亡した米国人280万人のうち、アルコール関連死のケースは2.6%を占めた。
内訳をみると、肝臓病とアルコールの過剰摂取、薬物との併用でほぼ半数に達している。
アルコール関連死の率は男性のほうが女性より高いが、前年からの増加が最も目立つのは「非中南米系の白人女性」、年齢層では「55~64歳」のグループだった。
ただし研究チームによると、実際のアルコール関連死はさらに多かったとみられる。アルコールが死因にかかわっていても、死亡証明書には表記されないケースが多いからだ。例えば飲酒運転による交通事故死のうち、アルコール関連と明記されるのは約6分の1にすぎない。
米国人1人当たりの飲酒量は2000年以降、約8%増えたことも分かった。過度の飲酒は約7.7%増となっている。
アルコール関連死が増えた原因としては、飲酒のリスクを高める肥満やメタボリック症候群、糖尿病が広まっていることや、アルコール度の高い酒が人気を集めていること、さらに社会経済情勢の変化によるストレスの影響などが指摘されている。
専門家らによると、アルコール関連死は過度の飲酒を抑える施策で予防することができる。具体的には酒税引き上げ、コンサート会場での酒類販売制限、飲酒運転の取り締まり強化などの対策が挙げられる。