イランのイラク米軍基地攻撃、犠牲者の報告なし 米当局者

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イランのSima Newsが伝えたアサド基地に向けた発射されたミサイルとされる画像/Sima News

イランのSima Newsが伝えたアサド基地に向けた発射されたミサイルとされる画像/Sima News

(CNN) 米当局者は8日、同日未明に行われたイランによるイラクの米軍駐留基地へのミサイル攻撃で、初期段階の報告では犠牲者はいないと述べた。

米国防総省のジョナサン・ホフマン報道官は、イランがイラク西部アサド空軍基地と北部アルビルの米軍と有志連合の部隊を狙って十数発以上のミサイルを発射したと発表。ここ数日間、米軍基地は「イラン政府がこの地域の米国の基地と利益に対して攻撃を計画しているとの兆候があったために高度の警戒を敷いていた」と明らかにした。

「状況と我々の対応を精査しているが、我々はこの地域の米軍の人員やパートナー、同盟国を守るためにあらゆる必要な措置を取る」とも語った。

イランのSima Newsが伝えたアサド基地に向けた発射されたミサイルとされる画像/Sima News
イランのSima Newsが伝えたアサド基地に向けた発射されたミサイルとされる画像/Sima News

イラク軍は声明で、ミサイルは同日午前1時45分から2時45分にかけて22発が撃ち込まれ、全てが有志連合の基地を攻撃したと述べた。

イラクのアブドルマハディ首相は声明で、イラクは日付が変わる直前にイランからミサイル攻撃に関する公式な口頭の通知を受け取っていたと明らかにした。通知は「攻撃はイラクの米軍がいる場所に限定される。詳細な場所は明かさない」との内容で、受領後イラク軍の指揮官には必要な準備の指示が出されたという。

アブドルマハディ首相は、「イラク側には犠牲者はいなかった。有志連合からの損害については公式な情報を受け取っていない」と述べた。

イラン革命防衛隊がアサド基地に向けたミサイル発射として公表した映像から/IRIB/AFP/Getty Images
イラン革命防衛隊がアサド基地に向けたミサイル発射として公表した映像から/IRIB/AFP/Getty Images

米軍関係者や政府高官によると、初期段階の調査では、アサド空軍基地では米国人のいない地点にミサイルが着弾した。夜が明けてから被害状況の全容を確認するという。

別の米軍関係者は、米軍はミサイル発射の警戒情報を受けてサイレンを鳴らすのに十分な時間的余裕があったと語った。危険な地点にいる人々は安全な場所に避難することができたという。

クルド人の治安当局者によると、アルビルでは少なくとも2発の弾道ミサイルが別々の場所に着弾した。1発はアルビル国際空港の周辺地域に着弾し不発、もう1発はアルビルの西方約32キロの地点に着弾し、犠牲者はいないという。

イラク西部アサド空軍基地と北部アルビルにイランのミサイルの標的となった/Source:US Department of Defense, Graphic: Paul Martucci, CNN
イラク西部アサド空軍基地と北部アルビルにイランのミサイルの標的となった/Source:US Department of Defense, Graphic: Paul Martucci, CNN

トランプ大統領はツイッターで「犠牲者や損害の確認を進めている。これまでのところ順調だ。我々は最も強力で装備に優れた軍隊を世界中いたるところに保有している。明日の朝に声明を出そう」と書き込んだ。

ホワイトハウス関係者によると、ホワイトハウスは当初、同日中に国民に向けたトランプ大統領の演説を計画していた。

イラン国営テレビによると、革命防衛隊は米国が新たに侵略してきた場合にはさらなる壊滅的な対応をとると警告。米国の侵略拠点を提供する周辺諸国はどこでも対象となるだろうと述べた。

イラン周辺国に展開する米軍兵士の数。米議会調査局によると、上記のほかオマーンに数百人、他の諸国にもより少ない人数の要員が展開する。兵士数は推定値で、最近の再配置は反映されていない可能性がある/Sources: DMDC, CentCom, Congressional Research Service, CNN estimates. Graphic: Henrik Pettersson, CNN. Maps4news.com
イラン周辺国に展開する米軍兵士の数。米議会調査局によると、上記のほかオマーンに数百人、他の諸国にもより少ない人数の要員が展開する。兵士数は推定値で、最近の再配置は反映されていない可能性がある/Sources: DMDC, CentCom, Congressional Research Service, CNN estimates. Graphic: Henrik Pettersson, CNN. Maps4news.com

イランのザリフ外相はツイッターで、対応は米国による革命防衛隊「コッズ部隊」ソレイマニ司令官の殺害に見合うものだと発言。「イランは我々の市民や高官への卑怯な武力攻撃の起点となった基地を狙い、国連憲章51条に基づく釣り合いの取れた自衛措置をとり、完遂した。拡大や戦争は望まないが、どんな侵略に対しても自衛をしていく」と語った。

同国の最高指導者ハメネイ師は同日、国民に向けたテレビ演説で、攻撃への言及の中で、イランが米国の顔に平手打ちをしたと発言。米国がソレイマニ司令官を「テロリスト」と呼ぶことに対して、「不当で不公正だ」と反発した。

外交筋によると、米国のエスパー国防長官は米東部時間7日午後7時にイラク首相府に連絡を取ろうとしたが、バグダッドが深夜のためつながらなかった。その後連絡がとれ、両国政府の最高レベルでの話し合いが行われたという。

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