新型コロナウイルス、プラスチックなどの表面で最長3日間生存
(CNN) 世界的に感染が拡大する新型コロナウイルスについて、プラスチックやステンレス鋼の表面で最長で3日間生きられることを示す分析結果が出た。研究者らが米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)の編集者にあてた書簡の中で明らかにした。
さらにこのウイルスは、霧のように空気中を漂う「エアロゾル」という状態でも3時間生存できるという。
米国立衛生研究所が出資したこの研究は先週ネット上に投稿されていたが、より詳細な内容が上記の書簡を通じて17日に公表された。
それによると、今回の新型コロナウイルス感染症を引き起こすウイルスのSARS―CoV―2の安定性を調べたところ、検査を行った実験環境下においてはSARS―CoV―1との類似性が認められたという。
SARS―CoV―1は、2002年に重症急性呼吸器症候群(SARS)の流行を引き起こしたウイルス。
検査の結果から、研究者らは新型コロナウイルスが物体の表面や空気中でどのくらいの間生存できるのかについて新たな知見を得た。一方でさらなる研究が必要だとも指摘している。
17日の書簡が示した検査結果の要点は以下の通り。
●新型コロナウイルスは、ステンレス鋼やプラスチックの表面で最大72時間生存した。
●銅の表面では最大4時間、ボール紙の表面では最大24時間生存した。
●「エアロゾル」の状態では、3時間にわたる実験の間生存し続けた。
これらの研究結果は、新型コロナウイルスが物体の表面とエアロゾルを通じて感染する可能性を示唆する。SARS―CoV―1のケースでは、こうした感染形態に関連して「院内感染」や「スーパー・スプレッディング現象(SSE)」が起きたと研究者らは記す。その場合、1人の感染者から数万人に感染が広がる恐れもある。
一方、先月発表された別の研究によれば、新型コロナウイルスと極めて近い関係にあるとされる種類のヒトコロナウイルスについて、金属やガラス、プラスチックといった物体に付着した場合、表面を殺菌消毒しない限り最長で9日間生存したとの結果が得られたという。