南極のトビムシの体内にもマイクロプラスチック、地球規模の汚染拡大に懸念

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赤外線分光法によりトビムシの体内からマイクロプラスチックが発見された/Giovanni Birarda/The Royal Society

赤外線分光法によりトビムシの体内からマイクロプラスチックが発見された/Giovanni Birarda/The Royal Society

(CNN) 「マイクロプラスチック」と呼ばれる微小なプラスチック粒子がこのほど、南極の孤島に暮らす小型の節足動物の体内から見つかった。これにより、人間の住む国々から遠く離れた南極の生態系にもプラスチック汚染が広がっているとの懸念が浮上した。

イタリアとアイルランドの研究者が明らかにした。体内からマイクロプラスチックが見つかったのはトビムシの名で知られる、体長1ミリに満たない節足動物の仲間。「実地調査で南極の陸生動物からマイクロプラスチック汚染の証拠が見つかった初めての事例」だという。

研究者らは、18種類の動物を調べる中で今回の発見に至った。これらの動物は南極大陸の北に浮かぶキングジョージ島で2016年に見つかった大型の発泡スチロールに付着していた。

研究プロジェクトを主導した伊シエナ大学のエリザ・ベルガミ氏は、南極のような遠隔地にもプラスチックごみが流れつく現状に不安を覚えたと振り返る。

研究チームはイタリア国内の施設で、赤外線分光法を用いて動物の体内にマイクロプラスチックが存在するかどうかを確かめた。

ベルガミ氏によると、当該のトビムシは発泡スチロールの表面を覆った藻類やコケ類、地衣類を食べた際にマイクロプラスチックをのみこんだとみられる。

同氏はまたマイクロプラスチックを通じて複数の病原菌や汚染物質が運ばれる可能性にも言及。これらは今回の調査対象となった動物に加え、食物連鎖でつながるその他の動物にも悪影響を及ぼすという。

上記の研究は科学誌バイオロジー・レターズに掲載された。

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