コロナ感染者の再感染、3カ月以下で発生の可能性も 新論文
(CNN) 微生物に関する医学専門誌「ランセット・マイクローブ」は3日までに、新型コロナウイルスの感染者は再感染に対する抗体反応を持つもののあくまで短期間に終わる可能性があるとする新たな研究結果を掲載した。
論文作成を主導した米イエール大学の公衆衛生専門のジェフリー・タウンセンド教授は報道発表文で、再感染は最短で3カ月に満たない期間で発生し得ると主張した。
自然発生的な感染者のワクチン接種を促したうえで、以前の感染歴だけでは再感染に対する長期の予防効果につながらない可能性があるとも指摘した。
論文作成に加わった研究者たちは、これまで出現した中東呼吸器症候群(MERS)、重症急性呼吸器症候群(SARS)に加え、一般的な風邪をもたらすコロナウイルスの特徴などを分析。これらウイルスの変異に関する知見を材料に現在の新型コロナウイルスの変異に絡む予測モデルを創出した。
このモデルを基に新型コロナの再感染のリスクも分析した。
その結果、これらコロナウイルスは似たような方法で活動し、似たような再感染リスクを及ぼすことを突き止めた。疾病が流行しワクチン未接種の環境を考えた場合、新型コロナの再度の感染は抗体反応の頂点が過ぎた後の3〜63カ月内に発生する可能性があるとも推測。この期間の中央値は約16カ月とした。
今回の論文の共同執筆者となった米ノースカロライナ大学シャーロット校のアレックス・ドーンバーグ助教授(生物情報学・ゲノム科学専攻)は、時間の経過に伴う再感染のリスクにより注視すべきと主張。
「新たな変異株が生まれれば以前に備えていた抗体反応の抵抗力は弱まる」とし、「新型コロナウイルス禍の初期の段階に自然発生的に感染した人間が近い将来、再度感染する可能性は強まる」と説いた。