ニカラグア、社会保障改革の決議「無効」に デモの激化受け
(CNN) 中米ニカラグアのオルテガ大統領は22日夜、社会保障制度改革に関する決議を無効にすると発表した。年金支給額の変更などを盛り込んだこの決議に対しては、先週から激しい抗議行動が起きており、人権団体によれば、ここまで少なくとも25人が死亡している。
政府は18日、社会保障制度の赤字拡大を食い止めるための改革を承認。労働者や雇用主の負担を増やす一方で退職者が受け取る年金を減らすとするその内容に、激しい抗議の声が上がっていた。
首都マナグアではデモ隊の投石や放火に対し、警官隊が催涙ガスやゴム弾を使用。オルテガ大統領は週末にかけ抗議デモの参加者などと交渉を行い、決議を無効化する決定に至った。
マナグアに拠点を置く人権団体は22日、過去数日間の抗議デモで少なくとも25人が死亡、67人が負傷したと報告している。
米国務省と国連はデモ参加者らに対する暴力的な対応を非難。平和的な解決を求めた。オルテガ大統領はテレビ演説で「我々は秩序を回復しなくてはならない。混沌(こんとん)や犯罪、略奪の横行を許すわけにはいかない」と強調。法の支配の下で行動し、確実に社会の安定と平和を取り戻す考えを示した。