艾未未氏、「ヘビーメタル」のアルバム発表へ テーマは政治問題
香港(CNN) 中国の著名芸術家で人権活動家の艾未未(アイウェイウェイ)氏が来月、音楽アルバムを発表する計画を明らかにした。同氏によると、ジャンルは「ヘビーメタル」で、自作の歌詞は政治問題を扱っているという。
艾氏は2008年北京五輪のメーン会場「鳥の巣」の設計や彫刻作品などで知られるが、今回「神曲」と題したアルバムで、歌手としてもデビューする。
収録される9曲のうち、1曲は昨年、自宅軟禁から逃れて北京の米大使館へ駆け込んだ「盲目の人権活動家」陳光誠氏の歌だという。重慶市書記を解任された薄熙来氏(63)の元側近、王立軍・元同市副市長についての歌もある。
艾氏は08年の四川大地震で手抜き工事による被害を調査するなど、中国政府への批判的な言動で注目を集めてきた。音楽の分野では昨年10月、韓国のラップ歌手PSYのヒット曲「江南スタイル」のパロディー動画でダンスや歌声を披露していた。
CNNとのインタビューで、11年に脱税容疑で拘束された際、看守から退屈しのぎにと頼まれて歌ったのが音楽界進出のきっかけになったと語った。国際的アーティストのエルトン・ジョン氏が昨年、北京で開催したコンサートを「艾氏にささげる」と発言したことで、さらに弾みがついたという。
艾氏は中国国内でアルバムとミュージックビデオの発表を試みる構えだが、「私は完全に監視されている。インターネット上で公開しても当局に削除されてしまうだろう」と、悲観的な見通しを示している。