タイタニック生存者、「屈辱的」扱いに不満 手紙が競売に
(CNN) 1912年に沈没した「タイタニック」に乗船していて生き延びた乗客が、友人の心遣いへの感謝や英国での扱いに対する不満をつづった手紙が14日に米ボストンでオークションにかけられる。
手紙は有名ファッションデザイナーだったルーシー・ダフゴードン夫人がニューヨークの友人に宛てたもので、1912年5月27日の日付け入り。「ニューヨークからお見舞いの電報を送ってくれた心遣いに感謝します」と記す一方で、「戻ってからのイングランドによる扱われ方は、まるで私たちが救助された時に正しいことをしなかったと言わんばかり!!!! あまりに屈辱的じゃないか」と不満をぶつけている。
ルーシー夫人と夫のコスモ・ダフゴードンが乗った救命ボートは定員40人だったにもかかわらず、乗っていたのは12人だけだった。
夫妻はこの経緯を巡って英当局から証言を求められ、夫が船員に金をつかませて漕ぐ手を急がせ、残された乗客を助けなかったという疑惑が浮上。このうわさがタブロイド紙で騒がれ、2人の乗った救命ボートは「マネーボート」と呼ばれた。
結局、この疑惑は裏付がないまま終わったが、ルーシーは後に「(夫は)否定的に取り上げられたことで生涯にわたって傷ついた」と話していたという。
14日のオークションにはこのほか、米ロックバンド、ラモーンズのジョニー・ラモーンのギター、公民権運動家マルコムXが1950年に獄中でしたためた手紙、米ロックバンド、グレイトフル・デッドのジェリー・ガルシアが1980年にニューヨークで出会ったモデルに送った手紙なども出品される。