中国のテレビ司会者が毛沢東批判、動画が流出
(CNN) 中国で人気のテレビ司会者が故毛沢東主席を批判した動画がインターネットに流出し、騒ぎとなっている。
流出した動画は、国営中央テレビの畢福剣氏(56)が宴会の席上、草創期の共産党をたたえる革命歌に別の歌詞を当てて歌い、同席者たちが笑いだす様子を撮影した動画。毛沢東の名を出した後、「我々を苦しめた」などと歌ったという。
畢氏はその後、中国版ツイッターの微博で謝罪した。
「私の個人的な発言が重大な社会的影響を招き、後悔している。心より世間の皆さまにおわびする。公人としてこの事件から教訓をくみとり、自らを厳しく律する」
動画は宴会の別の出席者が携帯電話で撮影したとみられ、長さは1分15秒。6日にインターネットに流出した。撮影日時や撮影者と畢氏の関係は明らかになってない。
中央テレビは微博の公式アカウントで「中央テレビの司会者として、ネット上の動画で畢福剣が行った発言は重大な社会的影響をもたらした」との声明を発表し、調査を行うと述べた。
毛沢東は中国では「建国の父」として尊敬の対象となる一方で、独裁政権下の飢饉(ききん)などで数千万人の死者を出したことから、失政を批判する人も多い。それでも公の場で毛沢東の名誉を汚す発言は、今でも中国ではタブーになっている。