オマー・シャリフさんが死去 「アラビアのロレンス」出演
(CNN) 「アラビアのロレンス」、「ドクトル・ジバゴ」などの名作映画に出演した俳優オマー・シャリフさんが10日午後、心臓発作のためエジプトの首都カイロで亡くなった。代理人が明らかにした。83歳だった。
エジプト国営メディアの報道によると、1カ月にわたり入院していたという。
1999年の映画「13ウォーリアーズ」でシャリフさんと共演した俳優のアントニオ・バンデラスさんは、短文投稿サイト「ツイッター」で弔意を表明。「私の偉大な友人であるオマー・シャリフが亡くなった。いつまでも彼のことを思い続けるだろう。最高の俳優の一人だった」と述べた。
シャリフさんは黒い瞳とあか抜けた雰囲気、異国情緒漂うアクセントで知られ、全盛期には世界で最もハンサムな男性の一人とされた。
中東でスターとしての名声を確立した後、62年、デビッド・リーン監督の大作「アラビアのロレンス」に出演。ベドウィンの族長アリを演じ、アカデミー賞の助演男優賞候補に選ばれたほか、ゴールデングローブ賞の助演男優賞を獲得するなど、一躍、世界的な俳優となった。また、「ドクトル・ジバゴ」ではゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞している。
ただ、世界的な名声を得たことについては複雑な思いを吐露。95年には、「『アラビアのロレンス』に出演せず、世界的に有名になっていなかったとしても、それはそれで幸福だったかもしれない。わからない」と述べていた。
シャリフさんは32年、エジプトのアレクサンドリアで生まれた。材木商の息子としてカイロで成長。若いうちから俳優の道を志し、10代の頃から劇団で演じていた。54年、英語で「決死の峡谷」と訳されるタイトルの映画に出演し、エジプト映画界のスターとなった。