豪五輪チーム、リオでの警備強化要請 選手の強盗被害受け
(CNN) 8月に開催されるリオデジャネイロ五輪に出場するオーストラリアの五輪チームは21日、ブラジル当局に対し、選手らの安全確保に向けた取り組みの強化を求めた。現地に滞在する複数の選手がこのほど強盗の被害に遭ったことを受けての要請だ。
事件があったのは19日朝。前回のパラリンピック・ロンドン大会のセーリング競技で金メダルを獲得したリースル・テッシュ選手が、ホテルの近くにあるバス停で2人組の男に銃で脅され、トレーニング用に乗っていた自転車を奪われた。テッシュさんと一緒にいたチームメイトも男らから脅迫を受けた。
オーストラリアの五輪選手団団長を務めるキティ・チラー氏は21日に声明を出し、リオ五輪に参加する上で現地での強盗事件の発生が「重大な懸案事項」になっていると明言。「当該の選手たちは朝の7時半という明るい時間帯に、ホテルの近くで強盗に遭った。周囲には人がいたが誰も力になってはくれなかった」と述べた。
チラー氏はさらに「これは今に始まったことではない。トレーニング中や各競技のテスト大会でも選手を狙った強盗事件が起きている。我々は自国の選手を守らなくてはならない」と主張した。
リオでは五輪が開幕する8月5日までに治安部隊10万人が動員される見通しだが、チラー氏はこうした措置の前倒しを求めている。
凶悪犯罪の横行や政治の混迷、感染症のジカ熱の影響などが開幕前の盛り上がりに水を差すなか、リオ五輪そのものが開催されないのではないかとの見方も出ている。