シリア難民画家、トランプ氏ら指導者を「弱者」として描く
(CNN) トランプ米大統領がもし難民だったら――。シリア出身の画家、アブダラ・オマリさんがトランプ氏のほか世界の首脳ら10人を「弱者」として描いたシリーズが現在、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイで展示されている。
オマリさんはベルギーで難民認定を受けている。この経験がシリーズ制作のきっかけになったという。
オマリさんはCNNとのインタビューで、「難民になるというのは、体の中に自分が全く関知していなかったしこりを抱えるようなもの。しこりは最後まで残るから、対処せざるを得ない」と語った。
トランプ氏は幼い子どもを抱えた難民の1人として描かれている。荷物と敷き物を背負い、家族の写真を握りしめている。
ロシアのプーチン大統領もホームレスとして登場。シリアのアサド大統領は水に浸かり、助けになるのは紙の舟だけというあり様だ。
「行列」と題した別の作品では、食料を待って並ぶ人々の長い列を描いた。イスラエルのネタニヤフ首相、イランのロハニ大統領、米国のオバマ前大統領の姿もある。
オマリさんによると、寄せられる反響は9割が好意的だが、当然ながら批判もある。「自分たちの指導者が転落したり弱ったりした姿はいやだという人もいる」と、オマリさんは指摘する。
オマリさんは、首脳らを侮辱するのが目的ではないと強調。「自分自身の怒りを表現するためだったのが、いつしかもっと鮮烈な願望に変わった。相手のよろいを外し、権力の座から離れた人間らしい姿を描きたいという願いだ」と話している。