女子サッカー、キリマンジャロ山頂付近で試合 高度の新記録
(CNN) ワールドカップ(W杯)経験者を含む各国の女子サッカー選手らがこのほど、アフリカ大陸最高峰のキリマンジャロに登頂し、山頂付近で11人対11人による90分間の試合を行った。サッカーの試合をする標高の世界記録を樹立したとしている。
スポーツ界の男女差別撤廃を目指す取り組みの一環として、多くの人が困難と考えるプロジェクトを成功させた。
参加したのは元米国代表のロリ・リンジー選手、元イングランド代表のレイチェル・ユニット選手らを含む20カ国から集まった18~66歳の女子選手たち30人。標高5895メートルの山頂付近という、過去に例のない高度での試合が実現した。
火山灰土の上に小麦粉でラインを引き、登山ストックをコーナーフラッグに見立てたピッチを設営すると、選手たちはそれぞれ名前に「火山」と「氷河」を冠した2つのチームに分かれ、試合に臨んだ。
結果は0-0の引き分け。しかしプロジェクト本来の目的を達成できたことを考えれば、スコアは重要ではない。プロジェクトを運営した非政府団体(NGO)の設立にもかかわった米国のエリン・ブランケンシップ選手は「アスリートのグループが、5895メートル近い高度で試合をしたのは紛れもない事実。性別は関係ない」と強調した。
空気が薄い高地でのプレーは、動きの質の低下を余儀なくされる。国際サッカー連盟(FIFA)は2007年、選手の健康への懸念などから高地での国際試合を一時的に禁止したこともある。
「氷河」チームのドーン・スコット監督は「最後まで試合をやり切ることが重要なのだと、事前に両チームで取り決めを結んでいた」と話す。
そして「試合終盤になると運動量が落ち、酸素を必要とする選手が出るため、途中交代の選手にも目標達成の力になる機会が均等に与えられた」と振り返った。