愛犬にがん、命救った獣医学部への寄付呼びかけ スーパーボウル広告
(CNN) 2日に行われる米プロフットボール(NFL)の王者決定戦「スーパーボウル」のテレビ中継中、獣医学研究への寄付を呼び掛ける広告が放送される。がん治療で一命を取り留めた犬の飼い主が、600万ドル(約6億5000万円)を投じて広告枠を購入した。
自動車付属品メーカーの最高経営責任者(CEO)、デビッド・マクニールさんは昨夏、愛犬のゴールデンレトリバー「スカウト」の心臓に腫瘍(しゅよう)があることを知った。CNN系列局WMTVによると、検査の結果、スカウトは血管壁のがんと診断された。助かる可能性は1%しかなかった。
マクニールさんはWMTVの取材に、「彼はこの小さな部屋の隅に立っていた」「私に尻尾を振っているのを見て、『この犬を安楽死させたくない』『それは絶対にあり得ない』という気持ちになった」と振り返る。
そこで、マクニールさんはスカウトをウィスコンシン大獣医学部に連れて行った。研究チームが化学療法や放射線治療を行った結果、現在では腫瘍はほぼ消えている。
マクニールさんは喜びの気持ちを伝え、犬のがんについて啓発したいとの思いから、600万ドル相当のスーパーボウルの広告枠を購入した。
30秒間の広告には、スカウトが治療を受ける場面やウェザーテックの施設を走る様子が映っている。映像の最後では、同大獣医学部への寄付を受け付けるリンクも表示される。
WMTVから同大に直接寄付しない理由を尋ねられると、マクニールさんは、視聴者に寄付を通じてサポートを示してほしいからだと語った。
獣医学部の学部長はこの広告を称賛。WMTVに「ウィスコンシン大マディソン校と獣医学部だけでなく、世界中の獣医学にとって素晴らしい機会になる」と話している。