米弾劾裁判、上院が証人召喚を否決 5日に最終評決
(CNN) トランプ米大統領のウクライナ疑惑を巡る弾劾(だんがい)裁判で、上院は1月31日、証人の召喚を求める動議の採決を行い、反対多数で否決した。米史上3度目となった上院での大統領弾劾裁判は終わりの始まりを迎えた。
上院の幹部議員は、2つの弾劾条項に対する最終評決を5日午後4時に実施することで合意に達した。トランプ氏による一般教書演説はその前日に行われる。
上院は今回、証人召喚や文書提出を求める動議を賛成49、反対51で否決した。共和党からはスーザン・コリンズ、ミット・ロムニー両上院議員が賛成に回り、民主党と足並みをそろえた。
上院は共和党マコネル院内総務が提出した審理の最終ステップを定める提案も可決。3日午前11時から下院の弾劾管理人と大統領の弁護団が各2時間、最終弁論を行い、5日に最終評決を行う。
民主党が提出したマコネル氏案への修正提案4件はいずれも否決された。審理はこの後週末の休みに入る。民主党の大統領選候補者が、週末に開かれる候補者選びの初戦、アイオワ州の党員集会に出席できるようにするため。
5日に最終評決がずれこんだことについて、共和党議員はマコネル氏は同意する以外選択肢がなかったと語った。ホワイトハウスはトランプ氏が無罪評決を受けた後に一般教書演説を行うことを望んでいたが、民主党は評決を引き延ばすことが可能な状況にある。
ウクライナ疑惑を巡っては、ボルトン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)の著書の原稿に、不正を裏付ける記述が含まれていることが判明。これを受け、民主党側は証人召喚に賛成に回る共和党議員が増えるとの期待を抱いていたが、裁判の終結を望む議員が1人、また1人と出てきた。
理由は様々だ。共和党のリサ・マコウスキー上院議員(アラスカ州)は声明で「この裁判を続けたところで何も変わらないと思う。認めるのは悲しいが、議会は機構として機能していない」と述べた。
一方、同党のラマー・アレクサンダー上院議員は、下院の弾劾管理人はトランプ氏が政治的ライバルの調査を要請しつつ米国の支援を保留したことを立証したと指摘。「問題はあらゆる犯罪に極刑を適用すべきかどうかだ。今回の場合、答えはノーだと私は思う。その判断は米国民に下してもらおう」と訴えた。