ホワイトハウス、ボルトン氏に警告 現状では著書の出版認めず
ワシントン(CNN) 米ホワイトハウスがボルトン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)の弁護士に宛てた書簡で、ウクライナ疑惑に言及した著書の出版を現状の形では認めないと警告していたことが分かった。事情に詳しい複数の情報筋がCNNに明らかにした。
国家安全保障会議(NSC)の高官は弁護士宛ての書簡で、ボルトン氏の著書の草稿には「大量の機密情報が含まれているようだ」と指摘し、そのままでは出版できないと伝えた。
書簡は1月23日付。一部の情報は「最高機密」に当たり「国家安全保障を著しく損ないかねないと合理的に予想される」ことから、「こうした機密情報を削除することなしに草稿を出版または別の形で公開することは認められない」としている。
ホワイトハウスはコメントを出していない。ボルトン氏や出版社サイモン・アンド・シュスターの広報担当は問い合わせに対してコメントを控えた。
一方、ボルトン氏の弁護士は29日、NSCに送った草稿に関する書簡を公開した。
さらにNSCの当局者に宛てたメールでは、ウクライナ疑惑をめぐるトランプ大統領の弾劾(だんがい)裁判に触れ、下院の弾劾管理人はボルトン氏の証言を求める意向を明確にしてきたと説明。「上院が証言を求める召喚状を出すかどうかはまだ誰にも分からないが、ボルトン氏はその可能性に備えている」と述べた。
トランプ大統領はこのところ、ツイッターでボルトン氏を攻撃している。ボルトン氏の弁護士は、ホワイトハウスが同書の審査の過程で不正を働き、著書の内容をNSCの記録管理部門に所属していない人物と共有したと批判した。