英紙が東京五輪中止決定と報道、組織委など否定
東京(CNN) 東京五輪・パラリンピック組織委員会は22日、日本政府が大会を予定通り行うことを決定していると明言した。間もなく大会が中止になるとする未確認の情報が流れたことに対応したとみられる。
英紙タイムズは同日、匿名の与党有力議員の話として、政府が内密に東京五輪の中止を結論付けたと報じた。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)のため、開催が不可能になったという。CNNは報道の真偽を独自に確認していない。
日本側はすぐさま報道を否定。組織委の声明によると菅総理は委員らに対して開催への決意を表明しており、感染対策を徹底しながら予定通りの開催を必ず実現するべく関係者間の協議が続いているという。
声明では政府、東京都、組織委、国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)をはじめとするパートナー組織すべてが今夏の開催に全面的に注力していると強調。一日も早い社会の回復を期待しつつ、引き続きあらゆる取り組みを通じ安全で安心な大会を開くための準備を進めるとしている。
菅総理は22日午前、国会で東京五輪について、人類が新型コロナウイルスに打ち勝ったことを示す大会になるとの見方を表明。2011年の東日本大震災から復興した日本の姿を見せる機会になるとも述べた。
オーストラリアの五輪組織委員会を統括するマット・キャロル氏は22日、記者団に対し「根拠のないうわさに対処しなくてはならないのは残念だ」とし、「東京五輪は予定通り行われる。今年の7月23日に必ず聖火がともされる」と述べた。
カナダ五輪組織委員会のデービッド・シューメーカー会長も、ツイッターに「日本政府が、報道にあるような決定を下したとは認識していない」と投稿した。