東京五輪、聖火リレー始まる 福島県からスタート
福島(CNN) 今夏の東京五輪・パラリンピックの聖火リレーが25日、福島県で始まった。多くのスポーツファンにとっては五輪の「開幕」であり、10年前の東日本大震災からの復興を祝い、何年にもわたる経済の停滞からの力強い復活を示すものとなるはずだった。
しかし、聖火リレーのスタートは一般客には公開されなかった。新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、300人の招待参加者や当局者はJヴィレッジでのイベントを生配信で視聴するだけだった。
Jヴィレッジは2011年、東日本大震災の際に発生した福島第一原子力発電所での事故の対応拠点となった。東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は、東日本大震災からの地域の復興を示すために、聖火リレーのスタート地点として福島を選んだ。ここから、1万人のランナーが47都道府県を走り、国の団結を示す。
しかし、ここ数週間、前向きな談話は減っている。福島県の住民の一部は復興にはほど遠いと主張している。著名人の聖火ランナーも新型コロナウイルスへの懸念から複数人がリレー参加を辞退した。こうした著名人のランナーは沿道に多くの人々を集めると期待されていた。
大会組織委員会は先週、7月23日から8月8日にかけて行われる五輪の大会について、海外からの観客を入れずに開催すると明らかにした。パラリンピックは8月24日から9月5日の日程で行われるが、やはり海外の観客は観戦できない。
新型コロナウイルスが流行するなか、費用や物流上の課題が存在し、日本国民の五輪に対する支持は過去最低の水準に落ち込んでいる。NHKの世論調査によれば、五輪について延期もしくは中止を支持した人の割合は77%にのぼっている。