米NBC、来年のゴールデングローブ賞中継せず 主催団体の多様性欠如に批判
ニューヨーク(CNN Business) 米NBCテレビは10日、映画賞「ゴールデングローブ賞」の2022年の授賞式を中継しないと発表した。
同賞を主催するハリウッド外国人記者協会(HFPA)をめぐっては多様性の欠如が指摘され、ドラマ「エミリー、パリへ行く」の撮影現場視察に関連して一部会員がホテル宿泊費を負担してもらうといった金銭的恩恵を受けていたことに関する倫理的問題も浮上していた。
一連の問題を報じたロサンゼルス・タイムズ紙の報道を受け、ネットフリックスやCNN親会社のワーナーメディアといった大手が相次いで、問題に対する適切な対応が行われるまで、ゴールデングローブ賞関連のイベントには参加しないと表明した。
NBCは声明の中で、「HFPAが意味ある改革のために尽力すると確信する。だがこれほどの規模の変化には時間と労力を要する」と説明。同団体による改革の遂行を前提として、「2023年1月の授賞式は中継できる状態になることを期待する」とした。
ロサンゼルス・タイムズ紙によると、HFPAには黒人の会員がいないことが判明。さらに同紙は、一部の会員がNBCの支払う多額の放送権料の恩恵を受けていることにも疑問を投げかけた。
批判を受けてHFPAは、黒人ジャーナリストを会員に迎えることや、会員数を87人から100人に増やすことなどを表明したが、こうした対策や、続く報道で発覚した内部のやり取りなどが問題を一層悪化させた。会長だったフィリップ・バーク氏は、「ブラック・ライブズ・マター」運動を「憎悪団体」と形容した電子メールを転送していたことが分かって辞任に追い込まれた。
ゴールデングローブ賞をめぐっては、HFPA会員ジャーナリストの信頼性にまつわる疑問や、他者の加入を阻止しようとする姿勢などが以前から論議の的になっていた。