映画「アイ・アム・レジェンド」根拠のワクチン陰謀説、脚本家が反論
(CNN) 新型コロナウイルスのワクチン接種をためらう人たちの間で、2007年のSFホラー映画「アイ・アム・レジェンド」を根拠とするワクチン陰謀説が浮上している。これに対して同作品の脚本家が、これは完全に架空の物語だと強調した。
米紙ニューヨーク・タイムズは、アイ・アム・レジェンドの登場人物がゾンビになったのはワクチンのせいだったと考えて不安に思う人がいると報道。同作品の脚本を手がけたアキバ・ゴールズマン氏がこれに反論した。
アイ・アム・レジェンドはウィル・スミス主演の映画で、1954年の同名の小説が原作。がんの治療薬を開発しようとしてはしか(麻疹)ウイルスに手を加えた結果、人類のほとんどが感染して人間がゾンビ吸血鬼のような怪物になってしまうという筋書きだが、ワクチンは物語に関係しない。
Oh. My. God. It’s a movie. I made that up. It’s. Not. Real.
— Akiva Goldsman (@AkivaGoldsman) August 9, 2021
ゴールズマン氏は「オーマイゴッド、あれは映画です。私が創作しました。現実ではありません」とツイートした。
この映画は2020年に初の新型コロナウイルスワクチン使用が認められて以来、反ワクチン感情の媒介になってきた。この映画の登場人物がゾンビになったのはワクチンのせいだったという主張がSNSで出回ったことを受け、ロイター通信は昨年12月、映画の筋書きに関する「ファクトチェック」を公表していた。
念のために言っておくと、ワクチンを接種された人がゾンビのような反応を引き起こしたことは一度もない。新型コロナウイルスワクチンの接種が重症化や死亡を防ぐ最善の手段だとする報告は、昨年、数えきれないほど発表されている。米疾病対策センター(CDC)のデータの最新分析結果では、ワクチンを完全接種した人の99.99%以上で、入院や死亡につながるブレークスルー症例が発生していないことが示された(ただしCDCは11年、災害対策の啓発目的で、架空のゾンビ終末論を展開している)。