鳥のさえずり集めたアルバム、定番のクリスマスソング抑えチャートトップ5入り 豪州

アカハラワカバインコ(写真)などの鳥類53種の声が収録されている/Jurgen Christine Sohns/Flpa/imageBROKER/Shutterstock

アカハラワカバインコ(写真)などの鳥類53種の声が収録されている/Jurgen Christine Sohns/Flpa/imageBROKER/Shutterstock

(CNN) オーストラリアで、絶滅の脅威にさらされている鳥類のさえずりを収録した音楽アルバムが、有名歌手による定番のクリスマスソングを抑えてチャートのトップ5入りを果たした。マライア・キャリーやマイケル・ブーブレが歌うクリスマスソングのほか、アバ、ジャスティン・ビーバーの楽曲よりも上位につけている。

「Songs of Disappearance(仮訳:消えゆく歌声)」と題されたこのアルバムは、オーストラリア国内で絶滅の危険が極めて高い鳥類53種のさえずりを収録。今月3日のリリース以降ヒットを記録し、同国レコード業界の団体が集計するアルバムチャートで5位に入った。

発売元は非営利団体の「バードライフ・オーストラリア」。野生の鳥の声を集めたのは、自然界での録音を専門とするデービッド・スチュアート氏だ。

アルバム制作のプロジェクトには企業や大学も協力。生息数が減少する国内の鳥類について保護の必要性を訴えることを念頭に置いている。

チャールズ・ダーウィン大学は13日に声明を出し、さえずりが収録されている鳥たちは「絶滅の瀬戸際」にあると強調した。アルバムは同大学で博士号の取得を目指すアンソニー・アルブレヒト氏がプロデュースを手掛けた。

アルバムにはオトメインコ、アカハラワカバインコ、テンニョインコ、ミドリホウセキドリ、キガオミツスイなどのほか、渡りを行うホウロクシギ、オオソリㇵシシギといった鳥の声が収録されている。

バードライフ・オーストラリアはウェブサイトで、国内における音の風景の多様性を称賛する一方、これらは行動を起こさなければ失われるものだとの見方を強調。また生息地の破壊と気候変動により、多くの鳥類の寿命が短くなっているとも指摘する。

バードライフ・オーストラリアとチャールズ・ダーウィン大学の研究によれば、オーストラリアの鳥類の6分の1は絶滅の脅威にさらされている。最も大きいリスク要因は山火事や厳しい干ばつ、熱波などだという。

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