ナダルら有力テニス選手、ウィンブルドンのロシア・ベラルーシ勢排除を批判
(CNN) テニス・ウィンブルドン選手権の主催団体がウクライナ侵攻を理由にロシアとベラルーシの選手の出場を禁止した決定をめぐり、世界的なスター選手と現旧のウクライナ人選手の間で溝が広がっている。
ウィンブルドンの主催団体は自らの立場について、「ロシア政権のプロパガンダ機構を利する」ようなことはしたくないと説明した。
これに対し、ラファエル・ナダルやアンディ・マリー、ノバク・ジョコビッチといった選手は、男子プロテニス協会(ATP)や女子テニス協会(WTA)に続き出場禁止措置への反対を表明した。
ナダル選手は1日、マドリード・オープンを前にした記者会見で、「ロシア人テニス選手に対して非常に不公平だと思う」と指摘。「この戦争でいま起きていることは彼らの責任ではない」との見方を示した。
一方、ウクライナ人選手はおおむねウィンブルドン主催団体の禁止措置を支持している。今年現役を引退し、祖国防衛のためにウクライナ軍に加わったセルジー・スタホフスキーさんもナダル選手の姿勢を批判した。
スタホフスキーさんは過去に対戦経験のあるナダル選手に対し、ツイッター上で「ウクライナ人選手が母国に戻れない状況のどこが公平なのか教えてほしい。ウクライナの子どもたちがテニスをプレーできない状況、ウクライナ人が死んでいる状況のどこが公平なのか」と問いかけている。
ロシアやベラルーシの選手が主要テニス大会の出場を禁止されるのはウクライナ侵攻後初めて。
これにより、男子世界ランク2位のダニル・メドベージェフ選手(ロシア)や女子4位のアリナ・サバレンカ選手(ベラルーシ)など、複数の有力選手が出場できなくなるとみられる。