出稼ぎ労働者400~500人、W杯関連プロジェクトで死亡 カタール大会関係者証言
(CNN) カタールでサッカーのワールドカップ(W杯)開催準備を主導してきた大会関係者が、W杯関連プロジェクトの作業のために、出稼ぎ労働者400~500人が死亡したと語った。
W杯責任者のハッサン・アルタワディ氏は28日に放送されたトークTVのインタビューの中で、W杯関連の作業に起因する出稼ぎ労働者の死者数について質問され、「推定400人前後、400~500人の間」と返答。「正確な数は分からない。それについては論議がある。1人の死でさえ多すぎる」と語った。
その上で同氏は、「現場の健康・安全基準は年々改善していると思う。少なくとも我々に責任のあるW杯の会場については間違いない」と言い添えた。
カタール政府関係者は今月、W杯スタジアムの作業に関係する死者は3人、作業と関係のない死者は37人とCNNに説明していた。
一方、英紙ガーディアンは昨年、W杯のカタール開催が決まった2010年以来、南アフリカからの出稼ぎ労働者6500人がカタールで死亡したと報道。そのほとんどは低賃金の危険な労働に動員され、猛暑の中で働くことも多かったと伝えていた。
この数字についてアルタワディ氏は同年、誤解を招くセンセーショナルな内容だとしてガーディアンの報道を批判していた。
人権団体によると、W杯のカタール開催が決まって以来、出稼ぎ労働者の多くが、賃金支払いの遅れや不払い、強制労働、炎天下での長時間労働、雇用主による脅迫、同国のスポンサー制度のために仕事をやめられないといった問題に直面していた。
今月開幕したW杯を前に、カタールは7つの新スタジアムや新しいホテルを建設し、空港や鉄道、高速道路の拡張工事を行っていた。