セーヌを「泳げる川」に 100年ぶりの五輪に向けて浄化作戦 仏

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セーヌ川で泳ぐ人々の一団=7月2日撮影/Geoffroy Van der Hasselt/AFP/Getty Images

セーヌ川で泳ぐ人々の一団=7月2日撮影/Geoffroy Van der Hasselt/AFP/Getty Images

パリの公衆衛生当局が運営する下水処理施設では、この夏から2基の消毒装置が稼働する。雨の季節に下水道があふれないよう、雨水をためて少しずつ流すための貯留槽など、水質改善を助ける装置の建設も進んでいる。

水質浄化部門の責任者によると、まず最大の汚染物質である下水の細菌が流れ込まないようにすることが課題だという。川に停泊するボートの所有者には、汚水を直接川に流さず、市の下水道を使うよう義務付けた。市内のあちこちで、汚水を雨水管に流していた地区の配管も改善してきた。

その結果、すでに水質はかなり良くなっている。6月初めの検査では、欧州の基準を満たす「優れた結果」が出た。五輪の競技会場となる場所で昨年7月20日~8月11日に実施した検査の結果は、91%が基準に適合していた。

市民の遊泳は25年以降、市内3カ所で可能になる予定。目印のブイを設置し、桟橋や着替えスペース、シャワー、荷物置き場を整備する。郊外にも約20カ所の候補地が挙がっている。

ただし同責任者によれば、悪天候や局所的な水質変化もあり得るため、夏の間毎日必ず泳げると保証することはほぼ不可能だ。

CNN提携局のインタビューでは、市民から懐疑的な声も上がった。「水の色を見ると当面は泳ぐ気になれない」と話す女性や、「まだ変な物が浮いている。上流をしっかりきれいにしなければ」と主張する男性もいた。

一方、イダルゴ市長はCNNに、セーヌ川の浄化は気候変動に備えた適応策の一環でもあると説明。セーヌには生物多様性を確保する回廊(コリドー)の役割や、夏に涼をとる場所としての役割があると語り、川にすむ魚は浄化前の2種類から、最近は30以上に増えていると指摘した。

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