パリに戻ってくる世界最大のスポーツの祭典、不満の声も
パリ(CNN) 日付は決まった。会場選びも終了し、チケット販売も始まった。
最後に街がオリンピックムードに彩られてから100年、世界最大のスポーツの祭典は来年パリに再び戻ってくる。
大会組織委員会とフランス政府は史上もっともインクルーシブ(包摂的)な大会を標榜(ひょうぼう)しているが、多くの人々は納得していない。
一番の懸念事項は、アクセシビリティー(利用しやすさ)だ。金銭的なところでは高額なチケット価格、障害のある人々にとっては老朽化したパリの交通インフラでの移動が悩みの種だ。
手の届かない五輪チケット
フラビアン・ラルマンさんはなんとかパリ2024のチケット販売サイトにたどり着いたものの、最終的に無駄骨だったと判断した。
23歳の開発者は販売対象のチケット価格について、「ふざけている、とにかくクレージーだ」とCNNに語った。
「残念だ。僕らの街で、目と鼻の先で開催されるのに、観光客ばかりになってしまう。僕らにも影響はあるだろうが、プラスの影響ではないだろう」とラルマンさんは言い、結局は自宅でTV観戦することになるだろうと付け加えた。
五輪は世界最大のスポーツイベントだ/Alex Pantling/Getty Images
多くのフランス人がソーシャルメディアでチケットの価格に反発し、販売価格が平均的な予算をはるかに上回っていると不満の声を挙げている。
アクセシビリティー完備の大会になると高らかに謳(うた)っている大会組織委員会にとっては、面目丸つぶれの騒動だ。
「パリ2024は連帯とインクルージョンに重点を置いた最初の大会になるだろう」と、公式ウェブサイトも豪語している。
オリンピックのチケットの最安価格は24ユーロ(約3700円)、パラリンピックの場合は15ユーロだ。だが、安いチケットは販売枚数が限られている上、パリ以外の都市で実施されるバスケットボールやサッカーなどの大会だ。大勢のスポーツファンがチケット購入にこぎつけた時には、手ごろな価格のチケットは品薄状態だった。
過去の大会とは違い、パリ大会では「セット販売」システムが導入された。チケット購入のチャンスを手にするには、一般市民はまず抽選への登録を求められた。販売スタート以降、抽選で選ばれた市民は48時間以内に少なくとも3競技のチケットを購入し、各競技につき同数のチケットを予約するという仕組みだった。