安全なセックスを提唱してきた五輪、パリ大会のメッセージは「喜び」と「同意」

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今年のパリ・オリンピック(五輪)では選手村に男性用コンドーム20万個以上、女性用コンドーム2万個、デンタルダム1万個が用意される/mikroman6/Moment RF/Getty Images/FILE

今年のパリ・オリンピック(五輪)では選手村に男性用コンドーム20万個以上、女性用コンドーム2万個、デンタルダム1万個が用意される/mikroman6/Moment RF/Getty Images/FILE

(CNN) オリンピック(五輪)に向け準備が進む中、「愛の都」パリは次のようなメッセージを伝えている。パフォーマンスが常に優先されるわけではない。ことセックスに関しては喜びが第一だ。

選手村にまもなくアスリートが到着し始めるにあたり、2024年大会の主催者は従来通り安全を重視することに加え、「喜び」と「同意」を支持する包括的な性の健康キャンペーンを展開する予定だ。

これは研究に裏付けられた重要なメッセージだが、オリンピックのように世界的な注目を集める舞台で支持されることは異例だ。

性の健康において喜びを優先するということは、性体験の肉体的および精神的メリットをたたえるとともに、リスクを最小限に抑えるアプローチを指し、セックスをタブー視する恐怖や羞恥(しゅうち)心といった論調を書き換えることを目指している。性の健康を提唱する団体は、性に関する権利とウェルビーイング(心身の健康と幸福)に対するより大きな行動を解き放つための基礎としてセックスを肯定する行動様式を推進している。

世界保健機関(WHO)と性の健康を提唱する団体「プレジャー・プロジェクト」の系統的レビューによると、喜びを包括した性教育は、禁欲的なプログラムやリスクを重視したメッセージよりも性の健康に介入する効果的な戦略だ。そうした性教育はコンドームの使用を増やし、寝室でより安全な選択をするために不可欠な知識と自尊心を高める。

オリンピックで喜びを包括した性教育に焦点を当てるという決定は、多くの国で性教育への批判が高まっているこの時期には特に重要だ。米国だけでも今年、避妊に関するガイダンスを削除したり、禁欲を推奨したりするなど、教室で教えることができる内容を限定することを目的とした州レベルの制限的な性教育の提起が急増している。

オリンピックにおける性教育の歴史

パリが喜びと同意に焦点を当てているのは、長年にわたり安全なセックスを推進してきたオリンピックの歴史の一部だ。1988年に開催されたソウル大会の主催者はエイズへの意識を高めるため、初めて選手にコンドームを配布して注目を集めた。

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