安全なセックスを提唱してきた五輪、パリ大会のメッセージは「喜び」と「同意」

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2016年のリオ五輪の選手村に設置されたコンドームの自動販売機/Buda Mendes/Getty Images/FILE

2016年のリオ五輪の選手村に設置されたコンドームの自動販売機/Buda Mendes/Getty Images/FILE

それ以来、国際オリンピック委員会は、開催都市に対し、夏季・冬季すべての大会でコンドームの配布を奨励してきた。2016年のリオ大会では大会史上最多となる45万個のコンドームを配布。これは選手1人当たり42個に相当する。22年の北京大会ではコロナ禍でソーシャルディスタンスの確保が決められていたにもかかわらず、この伝統が継承された。

主催者は今年、約1万4500人の選手が滞在する選手村で、男性用コンドーム20万個以上、女性用コンドーム2万個、デンタルダム1万個を用意すると発表した。性的健康の検査センターも多数設置される。

ある金メダリストはかつて、セックスは「オリンピック精神の一部」だと示唆したことがある。配布された大量のコンドームは、アスリートの競技外活動を反映しているというよりも性教育のきっかけとして使われることを意図している。

アン・フィルポット氏は20年間にわたり喜びを包括した性教育を提唱してきた国際機関、プレジャー・プロジェクトの創設者だ。同氏はコンドームの配布を喜びと同意のメッセージと組み合わせたパリの決定を称賛している。

同氏はコンドームを「単に悪い結果を避けるため」に推進するのは効果的ではなく、安全なセックスを促進する最も生産的な方法は人々がセックスをする理由に焦点を当て、前提を覆すことだと説明する。

「人々は喜びを軽薄なもの、あるいはおまけのようなものだと考えている。だが、今となっては、エイズの流行初期から喜びを性の健康対策に組み込んでいたらはるかに多くの命を救えていたことは明らかだ」(フィルポット氏)

フィルポット氏はCNNに対し、安全なセックスに関する会話の論調を変える必要性はこれまで以上に切迫していると語った。そうしなければ、人々はネット上でまん延する誤った情報や有害で露骨なコンテンツから意見を形成することになる可能性があるという。

同氏は「窒息は実際には非常に危険な行為なのに、正常な性行為の一部とみなされるケースが急増している」と例を挙げ、性教育のカリキュラムによってネット上のコンテンツの誤りを正す必要があると力を込めた。

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