著名トランスジェンダー舞踏家の公演、中国各地で中止相次ぐ 弾圧強化恐れる声も
支援団体は解散を強いられ、活動家は警察の嫌がらせを受け、プライドパレードは中止に追い込まれ、同性関係を描いた映画やテレビ番組は禁止された。
ジンさんの中国政府との対立は、昨年10月に広州市文化ラジオテレビ観光局が、オペラハウスで12月に予定されていた公演を中止したことが発端だった。
国営系オンラインニュースサイトの「ペイパー」によると、ジンさんはウェイボーへの投稿で公演の中止を批判。広州市で予定していたのは中国の著名劇作家・曹禺による古典「日出」を脚色した作品で、過去4年間、中国全土で上演してきた演目だったことを明らかにした。ジンさんのこの投稿はその後削除されている。
ジンさんはさらに、中止の理由を明らかにするよう当局に求め、「公権力を乱用しないで」と訴えていた。
この投稿後、仏山市、蘇州市、さらに劇団が拠点とする上海市での公演が、何の説明もなく会場から中止を通告された。
国際放送テレビ局フランス24の取材に対してジンさんは、これまで40年間、中国での公演が認められてきたのに、こうした当局の決定には納得がいかないと語った。
ウェイボーの一部ユーザーは、ジンさんが過去の公演で「愛は愛」と描かれたレインボーフラッグを掲げたことで、一線を越えたのかもしれないと推測している。
「これは(2024年)1月のことだった。その後も全土で何の問題もなく公演を行っていた」とジンさんはフランス24に語り、「今も理由を問いかけている」と告白した。