なぜアップルは中国で愛されるのか
(CNN) 米アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は、世界最大の人口を持つ中国が、いずれ同社にとって最大の市場になると予想した。
一方、やはりネット大手のグーグルとフェイスブックは、アップルを横目に指をくわえているしかない。中国への入れ込み方が足りなかったわけではない。ただ、事業内容があまりにも違っていた。
中国政府は情報の自由な流れを厳しく統制し、特にインターネット規制に力を入れる。ウェブサイトへのアクセスは定期的に振るいにかけられ、フェイスブックやツイッターなどの交流サイトは、政治的に問題のあるコンテンツ、あるいは社会的に不適切なコンテンツの温床とみなされて、アクセスを阻止される。
グーグルは中国でもサイトを運営しているが、検索はすべて香港のサイトを経由させ、アクセスは頻繁に妨害される。つまり、グーグルやフェイスブックのような企業の中国での業績が振るわないのは、中国政府に原因があると言って差し支えないだろう。
一方、アップルは主にハードウェアの販売を手がけているので、検閲の問題にぶつからずに済む。
中国の消費者は電子機器が大好きだ。携帯電話は隅々にまで普及している。アップルが特に好調なのは、製品が非常に魅力的で高価なためだ。「iPhone」はデビュー直後から中国の社交界のステータスシンボルになり、「iPad」もすぐに必携品の1つに加わった。
本稿は、中国の中欧国際工商学院マーケティング学部教授、ジョンウェン・チャン=蒋炯文=氏による特別寄稿です。