なぜアップルは中国で愛されるのか
1つの教訓として、ノキアはかつて中国市場を圧倒していたが、人気が出過ぎてエリート層にとっての魅力が薄れた。同社は消費者にアピールしようと新機種の「Vertu」を発売したが、たいした成功は収められなかった。
中国に直営店を増やすことで、アップルは確実に成長を加速させるだろう。ただ、消費者が関心を失って新しいエリートブランドを求めたりしないよう、特権意識を保たせることが課題になる。
ほかの分野でも売り上げを伸ばすため、iTunesストアのビジネスモデルは再考する必要があるかもしれない。アップル製品はいつか別の製品に取って代わられるかもしれず、いずれはそうなるだろう。しかし書籍、映画、楽曲、アプリの需要は不変だ。
アップルが中国でコンテンツ消費に踏み込むことができるかどうか、今後の展開を見守りたい。
本稿は、中国の中欧国際工商学院マーケティング学部教授、ジョンウェン・チャン=蒋炯文=氏による特別寄稿です。