「透ける木材」開発、ガラスやプラスチックの代替に 米大学
フー氏はまず、ガラスの代替としての利用を見込む。「ガラス窓は断熱性が悪いので、夏も冬も大きな問題がある」(フー氏)。木材は天然の断熱効果があり、冬の寒さや夏の暑さを防ぐ効果はガラス窓よりも優れているという。
また、透明な木材には光の吸収率が高いという特性もあり、太陽エネルギーを電力に変換する太陽電池に利用すれば、最大で30%の効率向上が見込めるという。
建築や工学の分野では、環境に優しい建設素材としての可能性も大きい。「木材は潜在的に、鉄鋼と同程度かそれ以上の重量当たり強度を実現できるかもしれない。重量は木材の方が軽いというメリットもある」とフー氏は言う。
同氏のチームはさらに研究を進めるための資金を募っており、透明な木材は数年で商品化できると見込む。既に企業からの引き合いも相次いでいるという。
「この素材は昔から使われていて、木材産業では既に多くのノウハウが蓄積され、製造インフラも整っている。従ってこの分野は非常に速いペースで成長するだろう」とフー氏は予想している。