ペットロボットの癒やし効果、本物の動物と比較すると?
同ホームでは職員がテリア犬を連れてきて触れ合ってもらう活動も行っていたが、入居者はテリア犬よりもパロに触れ合うことの方が多かった。
ロボット犬に高齢者の孤独感を和らげる効果があるという調査結果は、2008年にも発表されている。
子どもについては米パデュー大学とワシントン大学が2009年の社会学会誌に報告を寄せている。7~15歳の子ども72人にソニーのロボット犬「アイボ」とシェパード犬2匹と一緒に遊んでもらい、感想を尋ねた結果、子どもたちはロボット犬も本物の犬も同じように社会的な仲間と見なしていることが分かった。
ただし本物の犬に比べればロボットの反応は限られると研究チームは指摘、「ロボットペットやロボットを使ったセラピーが、生きたコンパニオンアニマルや動物を使ったセラピーの代替になり得るとの考えには注意が必要だということが示唆された」としている。
動物保護にも詳しいオーストラリア・メルボルン大学のジャンルー・ラウール氏は「ペットは人間のためになるかもしれないが、ペットにとって人間はどうなのか」と問いかけ、「生きたペットとの関係から生まれる効果をペットロボットからどの程度引き出すことができるのか、もっと研究を進める必要がある」と話している。