救命ドローン、海上で2人の救助に貢献 オーストラリア
(CNN) オーストラリア南東部ニューサウスウェールズ州沿岸で、遊泳中に沖合へ押し流された男性2人がドローンを使って救助される出来事があった。ライフセーバードローンによる人命救助は初めて。
同州のライフセービング団体によると、男性2人は遊泳中に巡回区域から1キロ以上沖合へ押し流され、3メートル近い高波にもまれていた。
そこでライフセーバードローンの「リトル・リッパーUAV」を出動させ、わずか数分で2人の上空へ到達させて、救命具を投下した。
2人は救命具にしがみついて、ライフセーバーが待機する海岸へたどり着いた。疲れ切っていたものの、けがはしていなかったという。ドローンは救助の一部始終を記録していた。
「リトル・リッパーUAVは今日、自ら実力を実証した。同機は驚くほど効率的な救命装置であり、喜んで飛行してくれる」。ドローン操縦士のジェイ・シェリダン氏はそうコメント。「ドローンを発進させて現場へ飛ばし、約1~2分で救命具を投下できた」「通常であれば、ライフセーバーが到達するまでに、あと数分はかかっていただろう」と振り返った。
オーストラリアのライフガード団体に所属するライフセーバーは、最新鋭ドローンを使った訓練の準備を進めている。しかしニューサウスウェールズ州当局者によると、救命具を装備したドローンがこのような形で実際の救助に使われたのは初めてだという。
同州政府はライフセービング団体のドローンプロジェクトに43万ドル(約3800万円)を拠出していた。