NY市長、アマゾンの本社計画撤回を非難 「企業権力の乱用」
ニューヨーク(CNN Business) 米ニューヨークのデブラシオ市長は17日、米アマゾン・ドット・コムが同市クイーンズ地区に第2本社を建設する計画を撤回したことについて、「企業が権力を乱用する一例」だとして非難した。
米NBCの番組でインタビューに答えたデブラシオ氏は「アマゾンはボールを取り上げてそのまま帰ってしまった。人々の米国企業に対する最悪の懸念を裏付ける結果となった」と強調した。
同氏は16日付ニューヨーク・タイムズ紙の論説欄でも同様の主張を展開している。
第2本社の建設候補地を1年がかりで検討していたアマゾンは昨年11月、ニューヨーク市とバージニア州北部を第2本社の建設地として選定。しかし今月14日になって、地元の強い反発を受けて撤回を決めたと発表した。
昨年11月の時点で、デブラシオ氏はアマゾンの発表を歓迎し、第2本社建設が地元住民に確実に利益をもたらすとの見方を示していた。
しかし多くの民主党議員などから計画への批判の声が噴出。アマゾン誘致のためニューヨーク市が打ち出した15億2500万ドル(約1700億円)の助成金などがやり玉に挙がった。
デブラシオ氏はアマゾンの計画撤回を「独断的な判断」と非難。「このような事態を勤労者たちはどのように受け止めるだろうか。企業が一部の人々の批判を理由に自分たちを見捨てたことをどう思うか」と述べた。計画が実現すればニューヨークに2万5000人の新規雇用が生まれ、その平均給与は15万ドルと見込まれていた。