メイク動画に忍ばせた反中メッセージ、TikTokで少女の投稿拡散
香港/ニューヨーク(CNN Business) 動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」でこのほど、メイク指南にみせかけて反中国的なメッセージを発する少女の動画が拡散した。冒頭はまつげをカールさせるコツを伝授する内容だが、動画はそこからウイグル族収容施設の批判に転じていった。
動画の少女はアフガニスタン系米国人のフェロザ・アジズさん(17)。動画開始から数秒後、アジズさんは視聴者にカーラーを置くように呼び掛けると、そのまま政治の話題に移り「今使っているスマホで中国で起きていることを検索して」と訴えている。
アジズさんは40秒の動画の残り時間を使い、中国政府や、新疆にあるウイグル族イスラム教徒の収容施設に対する批判を展開。動画はティックトック上で150万回以上視聴された。
中国政府はこうした施設について「職業訓練センター」と主張してきた。しかし、欧米諸国の多くは大量収容施設だとして非難し、ウイグル族の文化やイスラム教の慣習を根絶する狙いがあると指摘している。
アジズさんは動画で収容施設をめぐる疑惑を列挙し、「人々は強制収容所行きになり、罪のないイスラム教徒が収容され、家族が引き裂かれている」と言及。さらに虐待が行われているとの疑惑にも触れた。
動画投稿後、アジズさんはCNN Businessの取材に対し、アカウントにアクセスできなくなったと語った。その数時間後にはツイッターに、アカウントが「復旧した。すごく怪しい」と書き込んだ。
ティックトックの広報担当は27日、アジズさんの動画やアカウントを禁止したことはないと説明。動画は依然としてティックトック上で閲覧可能だとしている。