フェイスブックの監督委、トランプ氏の利用停止を支持 再検討が必要と指摘
(CNN Business) 米フェイスブックの監督委員会は5日、同社は引き続きトランプ前米大統領による同社プラットフォームの利用を停止できるものの、6カ月以内にこの決定を再検討する必要があるとの判断を示した。1月6日の米議会議事堂襲撃事件後にトランプ氏のアカウントを停止した同社の判断を支持する形となった。
監督委は今回、暴徒を称賛したトランプ氏の同日の投稿について、フェイスブックの規約に「著しく違反」しており、「暴力の重大なリスクが生じうる環境をつくり出した」と結論づけた。
ただ、フェイスブックが停止期間を無期限としたことについては批判。フェイスブックはこの決定を再検討し、「一定期間の停止」またはアカウントを永久的に無効にするなど、フェイスブックの規約に合致した処分を科す必要があるとした。
監督委は発表で、「フェイスブックは今回の決定から6カ月以内に、1月7日に科した恣意(しい)的な罰則を再検討し、適切な罰則を決める必要がある」とし、新たな罰則の内容については「違反の重大性と将来の害の可能性」に基づいて決める必要があると指摘した。また、フェイスブックの規則に合致した罰則を科す必要性も指摘し、この規則は「明確かつ必要で釣り合いの取れた」ものでなくてはならないとしている。
さらに「フェイスブックは曖昧(あいまい)かつ基準に欠ける罰則を適用した上で、この件の解決を監督委に委ねることで、責任逃れを試みている」とも指摘した。
今回の判断はフェイスブック傘下のインスタグラムにも適用される。トランプ氏はフェイスブックとインスタグラムに合わせて6000万人近いフォロワーを持つ。
フェイスブックのニック・クレッグ広報担当副社長は声明で、「前例のない状況が当社の例外的な措置を正当化したと監督委が認めてうれしく思う」と言及。「今後は監督委の判断を検討し、明確で釣り合いの取れた対応を決める」と付け加え、「その間、トランプ氏のアカウントは停止されたままになる」とした。
トランプ氏はこの声明に対し、決定は不名誉で恥だと反発した。
監督委はフェイスブックが資金を拠出するものの、同社から独立して運営するように設計されている。今回の審査では、国際法や人権法からジャーナリズム、デジタル権の擁護団体まで幅広い分野のメンバーが投票を行った。ただ、監督委を巡っては、正統性や説明責任の見かけを付与するためのお飾りの組織に過ぎないとの批判もある。