ジュリアーニ氏の家宅捜索でトランプ氏周辺に恐怖心、情報筋
(CNN) 先ごろ連邦捜査員がトランプ前大統領の顧問弁護士を務めた元ニューヨーク市長、ルドルフ・ジュリアーニ氏の自宅と事務所を捜索したことを受け、トランプ氏に同調する人物らの間では次に起こりうる事態に対する懸念が広がっている。トランプ氏と近い情報筋が1日までに明らかにした。
「今回の権力の誇示は、トランプ氏の周囲にいる多くの人々に強いメッセージを送った。ほかにもこうした事態が起きるかもしれないという内容だ」と、トランプ氏の顧問の1人はCNNに語った。
捜索はジュリアーニ氏のウクライナでの事業取引をめぐる犯罪捜査に関連したもので、結果的に複数の通信機器が押収された。ジュリアーニ氏と同氏の弁護士は、現在捜査には協力しているとして、今回の捜索は必要のないものだったと批判している。
前出のトランプ氏の顧問は、捜索が同氏に近い人々の恐怖心に火をつけたと指摘。司法省当局者のトランプ氏に対する捜査意欲が従来の想定より強いものだったとの認識が共有されているという。
トランプ氏に近い2人の人物もこうした感覚を共有したが、この件に関して発言が引用されるのは拒否した。
ニューヨーク州のジェームズ司法長官は現在、トランプ氏一族の中核企業トランプ・オーガニゼーションを捜査中。同社をめぐっては税金に絡む利益のために資産価値を不正に操作したとの疑惑が取りざたされているが、トランプ氏側はいかなる不正行為もないと再三主張している。
弁護士が出した声明の中でジュリアーニ氏は、自身の不正の疑惑を否定。今回の捜索は司法省による「腐敗したダブルスタンダード(二重基準)」であり、トランプ氏側の人間と民主党支持者の間で異なる対応が取られているとの見方を示した。
そのうえで、共和党支持者でありトランプ氏の有力な支援者、擁護者であれば虚偽の告発や司法手続きの対象となるとし、「以前にはテロリストや組織犯罪者に対して使われていた手法だ」と批判した。