米議会襲撃事件めぐり警官2人がトランプ氏を提訴
(CNN) 1月の米議会襲撃事件でトランプ前大統領が群衆を扇動したために身体的、精神的なダメージを受けたとして、議会警察の警官2人がトランプ氏に損害賠償を求める訴訟を起こした。
議会警察のジェームズ・ブラッシンゲーム氏とシドニー・ヘンビー氏が30日、ワシントンの連邦地裁に訴えた。
ブラッシンゲーム氏は事件の現場で石柱にたたきつけられ、頭部と背中を負傷。ヘンビー氏はドアに体を押し付けられ、薬品のスプレーを浴び、顔から血を流すけがを負ったという。
両氏はトランプ氏が支持者らを扇動し、警官を襲うようけしかけたとして、少なくとも7万5000ドル(約830万円)の損害賠償を求めている。
トランプ氏は訴訟についてコメントしていないが、これまで一貫して事件への責任を否定してきた。先週のテレビ番組では、支持者らが警官と「ハグやキス」を交わしていたなどと主張した。
訴状によると、両氏は当時、人数で圧倒的に勝る暴徒に襲われて強い恐怖を感じた。今もその記憶にとりつかれ、うつ状態や罪悪感に苦しんでいるという。
ブラッシンゲーム氏はさらに、人種差別的な言葉を数え切れないほど投げ付けられたという。
同事件をめぐり、警官が訴訟を起こしたのは初めて。これまでに民主党議員2人が、トランプ氏らの責任を問う訴えを起こしている。