米議事堂襲撃の暴徒は警官と「ハグやキス」、トランプ氏が虚偽の主張
ワシントン(CNN) トランプ前米大統領は25日、1月6日に起きた米議会議事堂襲撃事件をめぐり、自身の支持者は警官と「ハグやキス」を交わしていて「脅威はゼロ」だったとの虚偽の主張を展開した。
トランプ氏は大統領選が盗まれたとの虚偽の主張を繰り返し展開することで襲撃をあおった経緯があり、今回の発言は歴史を書き換えようとする試みといえる。選挙に広範な不正があったとの証拠はないものの、トランプ氏や同氏を支持するメディアおよび議会の保守派は依然、このうそを広め続けている。
25日夜のFOXニュースに電話出演したトランプ氏は、議事堂乱入について「最初から脅威はゼロだった。議会に立ち入るべきではなかったが、一部は入っていって警官や警備員とハグやキスを交わした。素晴らしい関係だった」と主張。「大半の人は議会内に入るよう手ぶりで促され、歩いて入って歩いて出てきた」とも述べた。
1月6日の議事堂襲撃をめぐっては既に、現場で暴力が発生していたことを示す動画が多数浮上している。襲撃の参加者は刑事訴追されたほか、警官らも暴力について証言。議員は当日を振り返り、恐怖を覚えたと語っている。
FOXの番組では、一部の暴徒は処分されるべきだと示唆したとみられる場面もあったが、トランプ氏はすぐに話題を変えて左派運動「アンティファ」を攻撃。「当局は多くの人を訴追している。彼らには何か起きてしかるべきだ」と指摘する一方、アンティファの行為は不問に付されているとして「なぜアンティファを摘発しないのか」と問いかけた。
事件では、暴徒の多くが武器を手に議会警察と衝突。議会警察の警官1人を含む5人が死亡、警官100人以上が負傷した。