米アップル、iPod touchの製造停止
(CNN Business) 米アップルは10日、音楽プレーヤーの「iPod touch」の製造を停止すると明らかにした。在庫分の販売は続くが、音楽業界とアップルにとって新時代を導いた製品が事実上、終焉(しゅうえん)を迎えることになる。
アップルによれば、消費者は在庫がある間はiPod touchを購入できるほか、楽曲については、「iPhone」や「iPad」といった他のアップル製品を利用して聴くことができる。
アップル幹部は声明で、「音楽は常にアップルの中核の一部をなしてきた」と指摘。数億人の利用者に音楽を届け、iPodの与えた影響は音楽業界にとどまらず、どのようにして音楽を見つけ、聴き、共有するのかについて再定義したと述べた。
iPodが初めてお披露目されたのは2001年で、アップルの創業者で当時の最高経営責任者(CEO)スティーブ・ジョブズ氏によってだった。アップルの携帯端末分野での成功はiPodによって始まった。iPodは代名詞ともなったホイールで消費者を引きつけ、当初はポケットサイズの端末に「CDの品質の楽曲を最大1000曲」持ち運べるとうたっていた。07年半ばにはiPod端末の販売台数は1億台を突破した。
07年には初代のiPhoneも発表されているが、iPhoneはさまざまな面でiPod touchの後継者だった。iPhoneやその後のアップル製品によって、公式に製造停止が発表される前から、iPodは「過去の遺物」とみなされていた。