マスク氏に反論の従業員、ツイートで解雇通告 混乱ぶりあらわに
ニューヨーク(CNN Business) イーロン・マスク氏がツイッターの在り方をめぐって相次いで従業員と対立し、少なくとも1人にツイッター上で解雇を告げた。この経緯は、マスク氏の買収に伴い同社が陥った混乱ぶりを公然と見せつけている。
マスク氏は14日、ツイッター上でソフトウェアエンジニアのエリック・フローンホーファー氏と言い争った末、「彼はクビだ」とツイートした。フローンホーファー氏も、ツイッターの社内システムにアクセスできなくなったことを確認した。これに先立ちフローンホーファー氏は、ツイッターが各国で「超低速」になっているというマスク氏の主張の誤りを裏付ける証拠をツイートしていた。
14日夜にCNNの取材に応じたフローンホーファー氏は、友人から送られてきたマスク氏のツイートで自分が解雇されたことを知ったと話し、ツイッターからは何の連絡もなかったと説明。自分はマスク氏の下でやってみようと考えて模様眺めの陣営に回っていたが、「報道されていることは全部本当」だと打ち明け、現状は「混乱」そのものの状態にあると形容した。
ほかにもこの問題について説明しようとした別の従業員少なくとも1人が15日付で解雇されたと、本人がツイートで訴えている。さらに数人の従業員が15日、「会社の方針に違反する行為」を理由に電子メールで解雇を通告されたと語った。一部は社内のスラックに書き込んだコメントが原因だった可能性があると推測している。関係者によると、社内のスラックでマスク氏を率直に批判する従業員がここ数日で相次いでいたという。
マスク氏は15日、解雇のニュースが伝えられたことに反応して「このような天才を解雇したことを謝罪する。彼らの素晴らしい才能はきっと、どこかほかで大いに役に立つ」とツイートした。
マスク氏は先にツイッターの従業員の半数を削減し、報道によれば業務委託先との契約の多くを打ち切っていた。そのやり方に対し、あまりにもずさんで、ツイッターがリスクにさらされるとの批判が強まった。
経営陣や取締役も解雇したマスク氏は今、友人や弁護士の助けを借りて同社を運営し、報道によれば自身が経営するテスラなどの企業からも技術者を借りている。ツイッターに破壊的な変更を加えようとするマスク氏とその仲間に対し、内々に懸念を伝えようとする従業員もいる様子だ。