インド保護区で「トラ観光」を一時的に全面中止、最高裁命令
タイムズ・オブ・インディア紙によると、リゾート施設などは緩衝地帯の中だけで建設が認められている。同紙は、緩衝地帯を指定した場合、既存のリゾート施設の取り壊しなどにつながることを一部の州が懸念し、最高裁の命令に従わなかったと伝えている。
インドのエコツーリズム関連団体の幹部は、政府がトラの保護区に受け入れる観光客数は多過ぎたとし、エコツーリズムの環境重視の側面が経済優先で無視されたと指摘。緩衝地帯の設定は問題解決への1歩としながらも、問題は緩衝地帯を誰が管理するかだと主張している。
最高裁の今回の判断は、多数のトラの保護区がモンスーンの季節には閉鎖されることから即座に大きな影響は及ぼさないと受け止められている。ただ、保護区内での観光活動の禁止が本決まりとなった場合、保護区周辺で観光収入に生活を頼る地域社会が直撃を受けると予想されている。